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静かに評価され続けるブランド、Aria Pro IIという存在
正直に言うと、「AriaPro IIが好きです」と公言する人は、あまり多くない。
Fender や Gibson のような分かりやすい憧れがあるわけでもなく、
Greco や Burny ほど“コピー黄金期”の話題性が多くあるわけでもない。
でも、不思議と 手放されずに残っている個体 が多いブランドでもある。
それが AriaPro II だ。
気づけば、ちゃんと“弾ける”ギターだった
AriaPro IIを初めて触ったとき、「……あ、普通に弾きやすいな」
この“地味な第一印象”こそが、AriaPro IIというブランドの本質だと思っている。
ネックが変に暴れない。
チューニングも極端に狂わない。
音も、必要以上に主張しない。
派手さはない、という人もいるけど、使うと困らない。
マツモク製という、今では説明が必要な言葉
AriaPro IIを語ると、必ず出てくるのが「マツモク製かどうか」という話だ。
これはもう“ブランド内ブランド”のようなもので、1970年代〜80年代半ばに マツモク工業 で作られた個体は、
今でも中古市場で一段高く評価されている。
理由は単純で、
- ネックの安定感
- 木工精度の高さ
- 年数が経っても致命的なトラブルが少ない
要するに、残り方がいい。
ヴィンテージって「古い」ことより「今も弾ける」ことの方が重要だと、この辺りの個体を見るとよく分かる。
コピーから始まり、コピーに留まらなかった
AriaPro IIも、当然ながらコピーモデルの時代を通っている。
レスポール、ストラト、セミアコ。
カタチだけ見れば、どれも見覚えのあるものばかりだ。
でも80年代に入ると、PEシリーズを筆頭にオリジナル路線を強く打ち出し始める。
・ヒールレス構造
・実戦向きのネックシェイプ
・アクティブPUの採用
「売れる形」より「現場で使えるかどうか」を優先していた感じがある。
この辺りが、“玄人受けはするけど万人受けしない”理由でもある。と私は思う。
ブランドが静かになった理由
1987年、マツモク工業の倒産。
この出来事は、Aria Pro IIにとって明確なターニングポイントだったはず。
生産は海外へ移り、品質も、立ち位置も、少しずつ変わっていく。
ここで「Ariaは終わった」と言う人もいるけど、実際はそう単純じゃない。
ただ、語られにくくなっただけだ。
それでも、今また名前を見るようになった
最近になって、
- ジャパンヴィンテージの再評価
- Matsumoku 製への注目
こうした流れの中で、AriaPro IIの名前を目にする機会が増えてきた。
派手な高騰ではないけれど、「分かる人がちゃんと探し始めた」
そんな空気を感じる。
AriaPro IIは、どんな人のギターか
AriaPro IIは、
- 初心者の“最初の一本”として語られにくく
- コレクターの“最終到達点”にもなりにくい
でも、
- 改造ベースにしたい人
- 実用一本を探している人
- ある種、信頼したい"道具"としてギターを見ている人
こういう層には、驚くほど刺さる。
たぶんこれからも、FenderやGibsonのように爆発的に流行ることはないとも思う。
でも、誠実な作りがあるからこそ、今後も残り続けるブランドなんだと思う。