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ギター比較・レビュー

Aria Pro II レスポールカスタムタイプの正体を調べる|ALC-550?LC-800?日本製?韓国製?

中古ギターって、いいですよね。

型番がはっきりしない。
製造国もよくわからない。
シリアルもない。
でも見た目はやたらとかっこいい。

そして、こう思ってしまうわけです。

「これ、もしかして昔の国産上位モデルなんじゃないか?」

今回取り上げるのは、Aria Pro IIのレスポールカスタムタイプです。

見た目はいわゆるブラックのレスポールカスタム風。
ゴールドパーツにブロックインレイ。
かなり雰囲気があります。

ただ、この個体が何なのかを調べようとすると、なかなか難しい。

日本製モデルなのか、それとも韓国製なのか。

今回は、実際に手元にある個体を見ながら、どこまで正体を推測できるのかを整理していきます。

実際に弾いてみた動画も撮ったので、音の雰囲気はこちらでも確認できます。


今回のAria Pro II レスポールカスタムタイプについて

今回の個体は、Aria Pro IIのレスポールカスタムタイプです。

ざっくり特徴を挙げると、こんな感じです。

・Aria Pro II
・レスポールカスタム風のブラックボディ
・ゴールドパーツ
・ブロックインレイ
・ヘッドには稲妻インレイ(ダイヤモンドではない)
・セットネック
・シリアル番号なし
・Made in Japan表記なし
・原産国シールなし
・内部パーツは比較的シンプル
・ピックアップに明確な型番刻印なし

黒いレスポールカスタムタイプというだけで、もう十分かっこいい。
中古屋やフリマアプリで見かけたら、つい手が止まるタイプのギターだと思います。

ただし、この手の古いAria Pro IIは、型番や製造国を断定するのがかなり難しいです。

ネット上でも、似たような個体が韓国製のALC-550として出ていたり、国産のいわゆるLC-600や800として語られていたり、売られていたり。
日本製っぽいと言われていたり、韓国製ではないかと言われていたりします。


候補1:LC-800などの日本製上位モデルの可能性

次に気になるのが、LC-650,800などの日本製上位モデルの可能性です。

古いAria Pro IIというだけで、どうしても「ジャパンヴィンテージなのでは?」と期待したくなります。

特に、レスポールカスタムタイプで見た目が良い個体だと、

「これ、もしかして日本製の良いやつでは?」
「LC-800とか、そのあたりでは?」
「実は掘り出し物では?」

と思ってしまうんですよね。

この気持ちは、かなりわかります。

もちろん、古いギターなのでパーツ交換されている可能性もあります。
シリアルやシールが消えている可能性もあります。

候補2:韓国製、または韓国移行期モデルの可能性

今回、一番現実的だと思っているのが、日本製から韓国製への移行期モデル、ないしはその周辺モデルという見方です。

Aria Pro IIは時期によって日本製・韓国製・中国製など、さまざまな製造背景のモデルがあります。

そして、古い個体ほど情報が少なく、現物だけでは断定しづらいことがあります。
特に、1980年台から1990年頃までに関しては多くのメーカーが日本から海外工場への製造へ移行することも少なくなかったそうです。

その中で、日本製と海外製で同じスペックなのに工場だけ違う、みたいなこともゼロではなかったようです(あくまで噂レベルなので信ぴょう性は不明です)

候補3:ALC-550の可能性

そして最後の候補になるのが、ALC-550です。

Aria Pro IIのレスポールカスタムタイプとして、中古市場では「ALC-550」として扱われている個体を見かけることがあります。

今回の個体も、見た目の方向性だけで言えばALC系にかなり近い印象があります。

レスポールカスタム風の外観。
黒いボディ。
稲妻インレイ。
ゴールドパーツ。
セットネック。
Aria Pro IIロゴ。

このあたりを見ると、「ALC-550なのでは?」とも思います。
ただ、ここで難しいのが、型番を示す決定的な情報がないことです。

ヘッド裏に型番が書いてあるわけでもなく、シリアルNo.も最初からないのか、シールが剥がされたのか、年代や工場を追えるわけでもない。
昔のカタログと完全一致していると断定できるほどの情報もないです。

ただし、海外サイトや、海外の方のFacebook記事など見ると明確に同じ稲妻インレイのモデルを韓国製のALC-550だとしているページがあったりします。

実機から見た判断材料

ここからは、今回の個体を実際に見て、判断材料になりそうな部分を整理していきます。

シリアル番号がない

まず大きいのが、シリアル番号が確認できないことです。

古いギターを調べるとき、シリアル番号はかなり重要です。

製造年。
製造国。
製造工場。
モデルの時期。

こういった情報を推測する手がかりになります。

ただ、今回の個体にはシリアル番号が見当たりません。

この時点で、年代や製造国をはっきり断定するのは難しくなります。

もちろん、シリアルがないからダメという話ではありません。
古いギターでは、シールが剥がれていたり、そもそも見える位置にシリアルがない個体もあります。

ただし、少なくとも今回の個体については、

「シリアルから日本製だと判断できる」
「シリアルから何年製だと判断できる」

という状況ではありません。

ここはかなり重要です。


Made in Japan表記がない

次に、Made in Japan表記です。

今回の個体には、Made in Japan表記が確認できません。

これも、日本製と断定しづらい理由のひとつです。

もちろん、Made in Japan表記がないから絶対に日本製ではない、とは言い切れません。
古いギターなので、シールが剥がれている可能性もあります。

ただ、中古ギターを判断するうえでは、

「日本製と書いていないけど、日本製だと思う」

という判断はかなり危険です。

特に、売買の場面では注意が必要です。

「日本製です」と書かれていても、根拠が写真で確認できない場合は慎重に見た方がいいです。

今回の個体も、見た目の雰囲気だけで日本製と決めるのは避けた方がよさそうです。


内部パーツは高級機というより量産モデルらしい印象

内部も確認しました。

ポットや配線を見る限り、いわゆる高級国産ヴィンテージのような強い説得力があるわけではありません。

ミニポットが使われていたり、配線もかなりシンプルな印象です。

もちろん、内部パーツは交換されている可能性があります。
中古ギターなので、前のオーナーが修理や改造をしていることもあります。

そのため、内部パーツだけで製造国や型番を断定することはできません。

ただ、少なくとも今回の個体に関しては、

「内部を見たら明らかに国産上位機種だった」

という感じではありませんでした。

むしろ、価格帯を抑えた量産モデルに見えるかな〜という印象です。


ピックアップに明確な刻印がない

ピックアップも確認しました。

ただ、明確な型番やメーカー刻印は見当たりませんでした。

古いAriaProIIだと、ピックアップの種類からモデルを推測できることもあります。

特にもう一本内にある1981年製のAriaPeoⅡのレスポールは、ディマジオが最初から取り付けられてました。
例えば、特定の刻印があれば、ある程度モデルや時期の手がかりになります。

しかし、今回の個体ではそこまでの情報は得られませんでした。

実際に弾いてみた感想

ここまで型番や製造国の話をしてきましたが、ギターとして一番大事なのは、実際に弾いてどうかです。

今回のAria Pro II レスポールカスタムタイプも、正体探しだけで終わるにはもったいないギターでした。

まず、見た目の満足感はかなりあります。

黒いレスポールカスタムタイプにゴールドパーツ。
これはやっぱり強いです。

手に持った時の雰囲気もよく、部屋に置いてあるだけでも存在感があります。

音については、クリーンサウンドがとても気持ちいい印象です。
歪みについては、今回動画ではオーバードライブを軽くかけてる程度ですが、ハードロックな歪みにもしっかり対応してて、そこはレスポールカスタムっぽい!と思いました。

弾き心地については、とても弾きやすいです。
本家Gibsonのレスポールカスタムがどうかはわからないのですが、この個体はネックは薄めでした。

ALC-550なのか?LC-800なのか?現時点での結論

では、今回の個体は結局何なのか。

現時点での自分の結論はこうです。

ALC-550の可能性はある。ただし、ALC-550と断定できる証拠はない。LC-800などの日本製上位機種と見るには根拠が弱い。韓国製ALC系、またはその周辺モデルとして考えるのが一番自然。

という感じです。

中古で見つけたら買いなのか?

では、この手のAria Pro II レスポールカスタムタイプを中古で見つけたら買いなのか。

これは、価格と状態次第です。

まず、買ってもいい人はこういう人です。

・古い中古ギターが好き
・型番不明でも楽しめる
・多少の調整や修理を前提にできる
・レスポールカスタム風の見た目が好き
・日本製かどうかにこだわりすぎない
・安く手に入るなら試してみたい

逆に、あまりおすすめしにくい人はこういう人です。

・初めての1本として安心して使いたい
・調整や修理をしたくない
・日本製であることを重視している
・型番がはっきりしないと不安
・買ったあとにすぐライブや録音で使いたい

特に初心者の方が買う場合は、注意が必要です。

古い中古ギターは、見た目が良くてもネックやフレット、電装系に問題があることがあります。

音が出るから大丈夫、というわけでもありません。

弦高が高すぎる。
ネックが反っている。
フレットが減っている。
ポットにガリがある。
ジャックが接触不良を起こす。
ピックアップの出力差が大きい。

こういうことは普通にあります。

なので、初心者の方が買うなら、できれば実店舗で状態を確認した方が安心です。

フリマアプリやネットオークションで買う場合は、かなり慎重に見た方がいいです。


このギターの面白さは「正体不明感」にある

今回のAria Pro II レスポールカスタムタイプは、型番や製造国をはっきり断定できる個体ではありませんでした。

でも、それが逆に面白いです。

古い中古ギターには、こういう楽しみがあります。

ヘッドロゴを見る。
シリアルを探す。
パーツを外す。
キャビティを見る。
ピックアップを確認する。
ネット上の情報と照らし合わせる。
でも、最後まではっきりしない。

この過程そのものが、かなり楽しいです。

新品のギターにはない楽しみ方だと思います。

もちろん、実用面だけで考えれば、現行品の方が安心です。
初心者におすすめするなら、状態の良い現行モデルの方が無難です。

でも、中古ギターには中古ギターの良さがあります。

今回のようなAria Pro IIのレスポールカスタムタイプは、まさにその良さがあるギターでした。

まとめ:日本製上位機種と決めつけず、でも中古ギターとしてはかなり面白い

今回は、Aria Pro IIのレスポールカスタムタイプについて調べてみました。

結論としては、今回の個体をLC-800などの日本製上位機種と断定するのは難しいです。

また、ALC-550の可能性はあるものの、こちらも確定できる証拠はありません。

現時点では、

Aria Pro IIのレスポールカスタムタイプ。韓国製ALC系、またはその周辺モデルの可能性が高そうな個体。

という見方が一番自然だと思います。

ただ、ギターとしてはかなり面白いです。

見た目はしっかりレスポールカスタム。
古い中古ギターらしい雰囲気もある。
弾いてみても、ちゃんと楽しめる。

「これは日本製の上位機種だ!」と思って高値で買うのは危険です。
でも、「正体不明な古いAria Pro IIを楽しむ」という意味では、かなり魅力のあるギターだと思いました。

中古ギターは、正体がはっきりしないからこそ怖い。
でも、そこを調べていくのが面白い。

今回のAria Pro IIは、まさにそんな1本でした。

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