ずっとレスポールカスタムが気になっていました。
黒いボディにゴールドパーツ、多層バインディング、ブロックインレイ。
ただ、今のGibson Les Paul Customは高いです。
現行のCustom Shopまで見ると、ほぼ100万円コース。
レギュラーラインのLes Paul Customでも50万円くらいします。
めちゃくちゃ欲しい。
でもレギュラーラインのカスタムに50万円出して、「これで本当に満足するのか?」という不安もありました。Custom Shopではないけど50万円。
だったらもっと頑張ってCustom Shopなのか。中古か...でもそれでも高すぎる。そんな感じで、しばらくずっと悩んでいました。
そこで見つけたのが、今回のOrville by Gibson Les Paul Customです。
1990年製の黒カスタム。いわゆるバイギブです。
しかも、フロント・リアともにPAT. NO. 2,737,842の刻印ナンバードPUが載っている個体でした。
これはさすがに気になります。
この記事の目次
今回買ったOrville by Gibson Les Paul Custom
今回買ったのは、1990年製のOrville by Gibson Les Paul Customです。
シリアルはG0~から始まる番号。
Gシリアルなので、通説どおりなら寺田楽器製の個体だと思います。重量は約4.4kg。
軽くはないですが、レスポールカスタムとして考えると、まあ現実的な重さかなと。
最初に気になったのはフレットでした。ネットで買ったんですが、写真で見た時に少し低そうに見えたんですよね。
古いギターなので、ここは結構怖いです。届いてすぐリフレット案件だったら、さすがにきつい。
なので、お店にかなり細かく確認しました。
12Fの弦高は6弦側が約2.0mm、1弦側が約1.7mm。
1弦・2弦の12F〜17Fあたりでチョーキングしても、特に音詰まりはないとのこと。
フレットは過去にすり合わせされた形跡があるものの、お店の担当者さんの主観では7〜8割程度は残っていそう、という回答でした。
ここまで確認できたので、かなり安心しました。
あと、個人的に一番大きかったのがピックアップです。
フロントもリアも、裏面にPAT. NO. 2,737,842の刻印があることを確認してもらいました。しかも、交換されたようなハンダ跡も見受けられないとのこと。
届いた時点でかなり満足した

届いてまず思ったのは
かっこいい!!!
写真で見てもかっこよかったんですが、実物はもっと良かったです。
黒いボディ、くすんだゴールドパーツ、少し焼けたバインディング。
新品の高級感とは違うんですが、雰囲気があります。
ヘッドのOrville by Gibsonロゴも良いです。
レスポールカスタムって、音ももちろん大事なんですが、見た目でテンションが上がるかどうかもかなり重要だと思っています。
この個体は、その点ではかなり満足しました。
弾いてみた第一印象
最初にアンプに繋いで弾いた時、単体でポロポロ弾くより、曲に合わせた時の方が気持ちよく感じました。
これは結構大事なポイントです。
家でギター単体の音を聴いていると、高域がどうとか、低音がどうとか、いろいろ考えてしまいます。
ただ、実際に曲に合わせて弾いてみると、細かいことよりも「弾いていて気持ちいいか」が一気に分かります。
今回のバイギブは、そこがかなり良かったです。
特にリアPUはかなり押し出しがあります。
歪ませると前に出てくる感じがあって、ロックのバッキングが気持ちいいです。
黒カスタムを持って弾いている気分も含めて、かなりテンションが上がります。
一方で、フロントは思ったより甘いです。太いんですが、変にモコモコしすぎる感じではありませんでした。
リアは強めでフロントは甘い感じ。
この差は、キャラクターがいいバランスでした。
かなり使いやすいです。
ピックアップ抵抗値を測ってみた


せっかく刻印ナンバードPUが載っているので、アナログテスターでざっくり抵抗値も測ってみました。
測り方は、ギターにシールドを挿して、反対側のプラグから測る簡易的な方法です。ギターに載せたまま測っているので、ピックアップ単体の正確な数値ではありません。ポットや配線の影響もあります。
結果としては、フロントがだいたい7〜8kΩくらい、リアが15kΩ前後でした。
フロントは低〜中出力寄り。
PAF、T-Top、Tim Shawあたりを連想するようなレンジです。
もちろんTim Shaw確定とか、そういう話ではありません。
ただ、少なくともフロントは高出力系ではなさそうです。
リアは逆にかなりホットです。15kΩ前後なので、498TやDirty Fingersとか、そういった高出力系に近い方向かもしれません。
つまり、前後でかなりキャラが違います。
フロントで甘く太い音を出して、リアに切り替えると一気にロック向きになる。
レスポールカスタムとしてはかなり実用的な組み合わせだと思いました。
刻印ナンバードPUについて

今回のピックアップは、フロント・リアともにPAT. NO. 2,737,842の刻印入りでした。
いわゆる刻印ナンバードと呼ばれるタイプです。
ただし、これは50年代の本物PAFという意味ではないのと、よく刻印ナンバード"PAF"と言われますが、PAFか?という議論は稀にありますよね。
でも、これが1990年製のOrville by Gibson LPCに前後で載っているのが良いんですよね。
お店の確認では交換されたようなハンダ跡もなさそうとのことでした。
このあたりは、かなり嬉しいポイントです。
サドルやペグももちろん日本製

ブリッジサドルもちゃんとGOTOH製。
この辺の安心感はやっぱりありますね。
あと、ペグにMADE IN JAPANという刻印も入ってます。
ちゃんと日本製なんだな〜と感じる瞬間です笑
Gibsonっぽいけど、Gibsonそのものではない

実際に弾いてみて面白かったのは、Gibsonっぽさと国産レスポールっぽさが両方あるところです。
リアの押し出しや歪ませた時の太さには、かなりGibsonっぽさがあります。
ピックアップがGibson系なので、そこはやっぱり感じます。
でも、本家Gibsonっぽいかと言われると、少し違います。
どこか国産レスポールっぽい感触もあります。
Aria Pro IIやBurnyのような、古い国産レスポールにある独特の感じです。
木がしっかり詰まっている感じというか。うまく言えないんですが、アメリカっぽい大らかさだけではないです。
そこにGibsonのピックアップが乗っていて、Gibsonの意向も取り入られ、でも寺田楽器製造。
この混ざり方がかなり面白いです。
Aria Pro II 1981年製レスポールと比べると
今回、動画では1981年製のAria Pro IIレスポールスタンダードタイプと弾き比べています。
Aria Pro IIの方は、高音域がジャリっと出る感じ。
もちろん元となるモデルはスタンダードタイプなので、カスタムとは方向性も違います。
またピックアップもディマジオが乗ってますので、その特徴も大きいかも。
音も押し出しというより、古い国産レスポールらしい自然な鳴り方に感じます。
一方で、Orville by Gibson LPCはまとまりがあってギュッとしてる感じがしました。
また、ローミッド寄りな印象を受けました。
こちらは刻印ナンバードがピックアップに乗ってるので、その特徴もあるのかもしれません。
ただ、どちらが上とか、良い音という話ではなく、もうここまで違うと好みや弾く曲によって使い分けるみたいな話ですね。
Aria Pro IIにはAria Pro IIの良さがあります。1981年製の国産レスポールとしての雰囲気や、素直な鳴り方がある。
バイギブはそこに、もう少しGibsonっぽい押し出しと、レスポールカスタムの見た目の強さが加わる感じです。
気になるところ
良いところばかり書いても仕方ないので、気になるところも書きます。
まず、軽くはないです。約4.4kgあるので、ストラトやSGに慣れているとずっしりきます。
ただ、レスポールカスタムとしては普通かなとも思います。
話によると、4.8kgを超えるような個体もあるので、それに比べるとまだ現実的です。
次にフレット。
すり合わせ歴があるので、現行品のような高いフレットではありません。ここは好みが分かれると思います。
ただ、弦高は普通ですし、チョーキングで音詰まりもありません。
弾いていて「これはすぐリフレットしたい」とは思いませんでした。
あと、コンデンサは小さいセラミック系が付いていました。ここは将来的に変えても面白いかもしれません。
ただ、せっかく前後とも刻印ナンバードPUで、ハンダも交換跡がなさそうな個体です。まずはこの状態の音をしっかり味わいたいです。

本家Gibson Les Paul Customの代わりになるのか
これは難しいです。
そもそも本家のカスタムは持ってないし・・・笑
本家Gibson Les Paul Customそのものが欲しい人は、やっぱりGibsonを買った方がいいと思います。
ヘッドロゴは違います。
今回の個体は指板もエボニーではなく、濃いローズウッド寄りに見えます。本家のレスポールカスタムと完全に同じものではありません。
ただ、今のGibson Les Paul Customは高すぎます。
Custom Shopは100万円近い。レギュラーラインでも50万円くらい。
そこまで出すのはかなり覚悟がいりますし...でも、安いレスポールカスタムタイプでは満足できない。
その間にある選択肢として、Orville by Gibsonはかなり面白いと思いました。
これはこれで欲しくなるギターです。
Gibson公認の日本製レスポールカスタム。しかも1990年製で、前後とも刻印ナンバードPU。
結論
今回のOrville by Gibson Les Paul Customは、かなり満足度が高かったです。
もちろん、最高スペックのバイギブではないと思います。
Orville by Gibsonにはさらなる高級ラインのLPC-57Bとかではないですし。
でもGibson Customは高すぎる。だけど、ちゃんとした黒いレスポールカスタムが欲しい。
そういう人には、Orville by Gibson LPCはかなり面白い選択肢だと思います。
ただし、中古なので状態確認は必須です。ネック、ロッド、フレット、弦高、音詰まり、ピックアップの交換歴。このあたりは必ず確認した方がいいです。
良い個体に当たれば、かなり楽しめます。
少なくとも今回の個体は、かなり良い買い物になりました。