Orville by GibsonとAria Pro II。どちらも、古い国産レスポールを探していると気になる名前だと思います。
僕の手元には、1990年製のOrville by Gibson レスポールカスタムと、1981年製のAria Pro II LS-600Dがあります。
二本ともレスポールらしく重いし、見た目だけなら同じ方向のギターです。
弾いてみると、手に返ってくる感じも音の出方もけっこう違いました。
先に弾き比べ動画を貼ります。文章を読む前に、二本の音を聴いてみてください。
ここで書くのは、Orville by GibsonとAria Pro IIの勝ち負けではありません。今手元にある二本を弾いてみて、何が違ったか。その記録です。
この記事の目次
今回の二本、こういう状態です
古いギターは、型番が同じでも中身まで同じとは限りません。前の持ち主がどこを直したか、どう弾かれてきたかで、別のギターみたいになることもあります。
Ariaは買った時から、ピックアップも電装も手が入っていました。音だけ聴いていると気にならないかもしれませんが、弾き比べている僕としては「それ、本体の違いだけなのか?」となります。二本の状態も一緒に見てください。
| 項目 | Orville by Gibson | Aria Pro II |
|---|---|---|
| 今回の個体 | 1990年製 レスポールカスタム | 1981年製 LS-600D |
| 重量 | 約4.4kg | 約4.5kg |
| ネック / 演奏状態 | 12F弦高:6弦側約2.0mm、1弦側約1.7mm。1・2弦のチョーキングで音詰まりなし | やや順反り。プレイヤーズコンディション |
| フレット | すり合わせ歴あり。購入時の確認では7〜8割程度 | 残り約7割 |
| ピックアップ | 前後ともPAT. NO. 2,737,842刻印入り。ギターに載せたままの簡易測定でフロント約7〜8kΩ、リア約15kΩ | 購入時点で交換歴あり。リアはDiMarzio PAF Masterへ交換 |
| 電装 / パーツ | GOTOHサドル、ペグにMADE IN JAPAN刻印 | CTSポット、Orange Dropコンデンサに交換済み |
ここにあるのは、あくまで私が所持している個体の話です。
同じLS-600Dでも、同じOrvilleでも、このまま当てはまるわけではありませんのでご注意を。
Orville by Gibson レスポールカスタムを弾いた時の印象

Orvilleの方は、黒いボディにゴールドパーツのレスポールカスタムです。
約4.4kgあるので、持ち上げた時にはちゃんと重さを感じます。
座って弾くなら気にならないけど、ずっと立って弾く時は肩が凝るかな笑
リアに切り替えてリフやパワーコードを弾くと、音がギュッと前に出ます。
歪ませた時のこの感じが好きで、気づくとロックっぽいバッキングばかり弾いています。
フロントは太いのにモコモコしすぎず、扱いやすいです。

この個体には、前後とも刻印ナンバードPUが載っています。
ギターに載せたまま測った値は、フロントが約7〜8kΩ、リアが約15kΩ。
単体で外して測った数字ではないのですが、リアとフロントでキャラクターがかなり違うのは、弾いていてもはっきり分かります。
購入前に見た弦高やフレット、ピックアップの話は、Orville by Gibson レスポールカスタムの実機レビューにまとめています。
Aria Pro II LS-600Dを弾いた時の印象

Ariaは1981年製のLS-600Dです。
こちらは約4.5kg。Orvilleより軽い、という感じではありません。
二本とも肩掛けすると「あ〜レスポールだな」と思う重さです。
音を出すと、Ariaの方は高域までスッと出てきます。
クリーンでは立体感があって、軽く歪ませると一音ずつが見えやすい。
動画で弾き比べると、Orvilleのまとまり方とは違う方向を向いているのが分かると思います。

このLS-600Dは、買った時から改造されていました。ピックアップは純正ではなく、リアはDiMarzio PAF Master。
CTSポットとOrange Dropコンデンサも入っています。
買った時の状態や改造の中身は、1981年製Aria Pro II LS-600Dの実機レビューに写真を多めで書いています。
二本を並べて弾くと
数字は近いのに、手に返ってくる感じは違う
重量はOrvilleが約4.4kg、Ariaが約4.5kg。ほぼ一緒です。
ネックを握った感じや、弦を鳴らした時に体へ返ってくる振動は同じではありません。
Orvilleはローミッド寄りで、音がギュッとまとまる感じ。
Ariaはもう少し高いところまで出てきて、少し開いたように聴こえます。
年代も違えば片方はカスタム、もう片方はスタンダード的な感じではあるので違いがあるのは当然ではありますが、私が持ってる個体ではボディの振動がより伝わってくるのがOrvileで、ネックの振動がより伝わってくるのがAriaって感じです。
Orvilleはロックのバッキングを弾きたくなる
Orvilleは、リアPUでリフやコードを鳴らした時が気持ちいいです。
音が前に出るので、歪ませた時についパワーコードを弾きたくなります。
Ariaはクリーンと軽い歪みを聴きたくなる
Ariaは高域の出方と粒立ちを聴きたくなります。
深く歪ませても輪郭は残りますが、この個体の面白さが出るのはクリーンか軽いクランチでした。
中古でギターを見る時
どちらを購入する時も、中古ですしいわゆるジャパンビンテージになるので改造歴や状態の確認は必須だと思ってます。
- ネックが大きく反っていないか
- フレットが極端に低くなっていないか
- 12フレット付近の弦高はどのくらいか
- チョーキングで音詰まりがないか
- ピックアップや電装が交換されているか
- 自分が受け入れられる重さか
Orvilleは買う前に、店へ弦高、フレット、チョーキング時の音詰まりまで聞きました。
Ariaは改造歴があることを分かった上で選びました。
型番の評判と、今目の前にある一本の状態は分けて見る。古いギターを買う時は、この感覚が大事だと思います。
通販やフリマで中古ギターを見る時の質問例は、メルカリで中古ギターを買う前に見るチェックリストにもまとめています。
まとめ
今回のOrville by GibsonレスポールカスタムとAria Pro II LS-600Dは、重さがほぼ同じでも、弾いた時の印象はかなり違いました。
Orvilleはローミッドのまとまりとリアの押し出し。Ariaは高域の出方と粒立ち。どちらが上という話ではなく、二本を並べたら弾きたくなるフレーズまで変わりました。
古いギターは、モデル名だけで決めずにネック、フレット、改造歴、重さまで見る。そこまで見て気に入った一本なら、長く付き合えると思います。